製薬会社の３社（武田薬品、三共、大正製薬）をキャッシュフロー分析してみました。
３社のキャッシュフロー分析をして、正直驚きました。
世の中、押しなべて景気は良くないと言われていますが、この３社の製薬会社にとっては、
景気は良くないとは、当てはまりません。
「薬、九層倍」とは、よく言ったものです。もっとも、企業努力をしているとは思いますが。
３社の売上高ＰＱ、営業利益Ｇの推移を見てみましょう。











　　　武田薬品は、毎年、増収、増益で推移しています。
　　　営業利益Ｇは、倍増しています。売上原価率が低減しており、その効果が大きいようです。











　　　三共は、1999.3期をピークに、その後、減収、減益に陥っています。
　　　それにしても、営業利益率が常に、２０％を超えており、優良企業に変わりはありません。
　　　なお、2000.3期、2001.3期の販売・管理費は、入手データでは不明のため、売上原価に
　　　含まれています。











　　　大正製薬は、一部減収、減益がありますが、右肩上がりの業績で推移しています。
　　　ここも、営業利益率が常に、２０％を超えており、優良企業に変わりはありません。
　　　３社の中では、売上原価率が一番低い会社です。
　　　なお、2000.3期、2001.3期の販売・管理費は、入手データでは不明のため、売上原価に
　　　含まれています。

３社とも、研究開発費に、数百億円をも投資しているハズです。売上原価には、
その数百億円もの研究開発費が含まれています。
次に、経常収支Ｃ．Ｇ　と　必要運転資金の増加Ｃ．Ｓ　を見てみます。













































ご覧のように、３社とも、営業利益Ｇを、経常収支Ｃ．Ｇとして確保しています。
言い換えますと、必要運転資金の増加Ｃ．Ｓ が押さえられているということです。
特に、棚卸資産が、三共は減少、武田と大正は増加していますが少額にすんでいます。

そして、稼いだキャッシュフロー（経常収支Ｃ．Ｇ）は、有価証券、投資等に投資されています。






















最後に、借入金残高を見てみます。
武田薬品は ２９３億円が「ゼロ」に、三共は ５３０億円が ２３５億円に減少、大正製薬は ４４億
円が「ゼロ」に、なっています。
以上３社とも、しっかりした財務体質になっています。
たまたま、３社を選んでキャッシュフロー分析しましたが、年々、医療費が増加しつづけている
恩恵に預かっているのでしょうね。
因みに、８月１５日の株価を見てみますと、武田薬品 ５５１０円、三共 ２４１０円、大正製薬
２６５０円で、他に ４桁の株価の企業がたくさんあります。
不況知らずの業界のようです。不況業種にとっては、まことに、羨ましい限りです。