環境省、14団体に復興予算「がれき処理せず３４０億円を交付」 「検討だけでも交付」 |
| 環境省、14団体に復興予算「がれき処理せず３４０億円を交付」 島 武三 H24.12.30 「検討だけでも交付」 京都新聞 2012/12/22 東日本大震災で発生したがれきの広域処理をめぐり、環境省が受け入れ先から除外したにもかかわらず北海道から大阪までの７道府県の市町や環境衛生組合など計14団体に、復興予算の廃棄物処理施設整備費として総額約３４０億円の交付を決定していたことが21日、共同通信の調べで分かった。 同省が「検討すれば、結果として受け入れなくても交付金の返還は生じない」と異例の通達を出していたことも判明。交付が決定された対象には、交付条件だった「検討」をしていなかった神奈川県の４団も含まれていることも分かり、共同通信の指摘を受けた同省は不適切と認め、神奈川県分の計約１６０億円の決定を取り消す方針だ。復興予算のずさんさが、あらためて問われそうだ。 環境省は「神奈川県分の交付は不適切だが、残る10団体は受入れを検討したので問題ないと判断した」とし、一部は既に予算を執行、今後も執行を続ける方針だ。 政府はことし３月、放射性物質への懸念からがれきの広域処理が進まないため、てこ入れを検討。受け入れが見込める建設中の施設を対象に交付金（事業費の３分の１〜２分の１）と特別交付税（残りの地元負担分）をセットにした支援策を打ち出した。環境省は候補施設を自ら選び出し、調整役の都道府県に受入れを打診した。 環境省の通達は３月15日に廃棄物対策課長から出され、同省は12都道府県計21団体の申し込みを受理した。 だが、８月の見直しで被災地のがれき量が減った際、受け入れ準備が具体化していなかった計14団体を受け入れ先から外したが、交付決定は覆さなかった。 審査がなおざり 復興生かせず 巨額の復興予算が本来のがれき処理に使われず被災地以外に流出したのは「受け入れ」を交付条件から外し、書面審査も省いた環境省の行政手続きの甘さが原因だ。広域処理推進の秘策のつもりが、復興から懸け離れた結果を招いた。 震災１年後の３月、がれきの受け入れ先は東京、山形、青森の３都県にとどまったため、野田佳彦首相は一気に広域処理をすると宣言。対応を迫られた環境省は、建設中の処理施設を丸ごと費用負担する「起爆剤」（同省幹部）を用意した。 さらに各地の処理施設計画書を調べて処理能力に余裕のある施設を自ら選び受け入れを働きかけた。こうしたトップダウン方式に調整役の県側は受け身に回り、交付条件の審査がなおざりになった。 広域処理は今も各地で反発を呼んでいる。放射性物質への懸念に加え、遠隔地にがれきを運ぶ輸送コストへの疑義がその理由だ。政府は広域処理の効用を訴えてきたが、その推進費が被災地の復興に生かされていなかった。 がれきの受け入れ先から除外された14団体 （億円）
東日本大震災の復興財源を賄う臨時増税が、今年１月から始まります。 所得税は、なんと、２５年間、２．１％上乗せされます。 さらに、住民税の復興増税は、2014年６月から始まります。 その復興増税、ホントに復興に使われるのか疑問に感じます。 |