| 自民党は信任されたのではない |
| 「自民党は信任されたのではない」 島 武三 H24.12.31 2012年12月16日の衆議院選挙の結果は、自民党 294、民主党 57、日本維新の会 54、公明党 31、 みんなの党 18、日本未来の党 9、共産党 8、社民党 2、国民新党 1、新党大地 1、無所属 5、 新党日本 0、新党改革 0 でした。 獲得議席から見ると、自民党の圧勝のように見えます。 今回選挙の投票率は、戦後最低の 59.32％に終わりました。前回に比べて 1000万票も少なくなりました。 そこで、前回選挙と今回選挙の得票数、得票比率を比較してみます。
小選挙区では、前回選挙では、得票率 47.4％の民主党が議席比率で 73.7％を獲得しました。一方、自民党は得票率で 38.7％でしたが議席獲得率は 21.3％でした。 今回の選挙では、自民党は 43.0％の得票率で議席獲得率は 79.0％でした。しかし投票率の低下で得票数は前回よりも減少しています。民主党も約 2000万票も大きく減らしました。
比例代表では、民主党が前回選挙に比べて小選挙区同様に約 2000万票減らしています。民主党が減らした分を、日本維新の会、日本未来の党、みんなの党いわゆる第三極政党に流れた形になっています。 もちろん、自民党も得票数では減らしています。 自民党が勝ったというよりは、民主党が自滅したと見る方が適切でしょう。 国民は投票率の低下に現れているように、自民党に信頼が戻り、政権を任せようとした行動とは、とても思えません。 投票所に足を運んだ有権者も、誰に、どの党に投票しようかと悩んだことでしょう。一部の政党支持者は別にして、特に支持政党なしの有権者は、この人、この党を信頼して投票したのではなく、消去法的に消していったら、自民党が残ったという消極的投票結果ではなかろうかと推測いたします。 比例代表での自民党票 1662万票は、有権者総数から見れば、16.5％にすぎません。 決して自民党政治が信頼を回復して信任されたものと、いえるものではありません。 安倍政権は、国民の意思をしっかり受けとめ驕ることなく心して政権運営をしてもらいたいと思います。 |