| 2003.3.23 ＜検討問題＞ 製造業のS社は、受注増加に対応するため、9000万円をかけて、既存の工場の中に生産ラインを新設する計画を立てています。 生産ラインの建設は、約１年で完成し、翌年初から製造が開始でき、５年間使用する予定です。 建設費は、今年末に一括支払する予定です。 この生産ラインの増設によって、増加する売上高、製造コスト、販売費などの予想損益計算書は、下表のとおりです。 |
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| 予想損益計算書 （単位：万円） | ||||||||||
| １年目 | ２年目 | ３年目 | ４年目 | ５年目 | ６年目 | ７年目 | ||||
| ① | 売上高 | 15,000 | 15,000 | 17,500 | 18,000 | 20,000 | 16,000 | |||
| ② | 売上原価 | 7,150 | 7,870 | 7,990 | 8,460 | 7,180 | ||||
| ③ | 原材料費 | 3,200 | 3,750 | 3,800 | 4,150 | 3,250 | ||||
| ④ | 労務費 | 850 | 870 | 890 | 910 | 930 | ||||
| ⑤ | 減価償却費 | 1,500 | 1,500 | 1,500 | 1,500 | 1,500 | ||||
| ⑥ | その他経費 | 1,600 | 1,750 | 1,800 | 1,900 | 1,500 | ||||
| ⑦ | 販売費・一般管理費 | 5,450 | 5,650 | 5,860 | 6,100 | 5,650 | ||||
| ⑧ | 営業利益 | 2,400 | 3,980 | 4,150 | 5,440 | 3,170 | ||||
| キャッシュフロー | ||||||||||
| ⑨ | 税金（40%） | 960 | 1,592 | 1,660 | 2,176 | 1,268 | ||||
| ⑩ | 設備投資金額 | 9,000 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||
| ⑪ | 設備売却収入 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1,500 | ﾌﾟﾛｼﾞｪｸﾄ 終了後売却 |
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| ⑫ | 運転資金 | ? | ? | ? | ? | ? | ||||
| ⑬ | 運転資金の回収 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ? | ﾌﾟﾛｼﾞｪｸﾄ 終了後回収 |
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| ＜計画の前提条件＞ (1)運転資金は、次のように想定しています。 ・売上債権は、販売から、平均的に、１．５ｶ月後に回収される。 ・棚卸資産（在庫）は、平均的に、売上原価の １ｶ月分必要です。 ・仕入債務は、平均的に、原材料の仕入れから、２ｶ月後に支払います。 ・運転資金は、プロジェクト終了後の、翌年末までに、全額回収します。 (2)設備投資の 9000万円は、自己資金で行います。 ・設備は、生産計画終了後の、翌年末までに 1500万円で売却が可能です。 (3)税金は、(実効税率)税引前利益の４０％とします。 (4)資本の利率（割引率）は、１６％とします。 |
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＜設問＞ さて、Ｓ社のＴ社長は、このプロジェクトの計画を実行すべきでしょうか。アドバイスをお願いします。 この投資プロジェクトから得られるキャッシュフローを計算し、現在価値に置き直して判断してください。 もちろん、計画の前提条件を検討する必要はありますが、練習問題ですので、上記の計画で考えてみてください。 投資計画を実行すべきかどうかの判断基準は、リターンにあります。 そのリターンは、何かと言いますと、売上高でも、利益でもありません。 リターンは、キャッシュフローで判断します。 ただし、毎年度に得られるキャッシュフローを単純に合計をするのではなく、、資本の利率から（時間的価値換算を行い)現在価値に置き直して、判断します。 現在、超低金利状態にありますが、資本の利率(割引率)は１６％です。 今回は、各年毎のキャッシュフローの算出の仕方と、そのキャッシュフローから、資本の利率１６％で割引いて、現在価値に変換する方法を学んでください。 では、計算してみてください。 |
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| 投資計画の検討問題 （２） |